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『それじゃあ何か意見のある人ー』
パチンッ!
「王手飛車取り」
「やりますねぇ…」
『喫茶店とかは?』
『王道過ぎるだろ』
パチンッ!
「これならどうでしょう?」
「むぅ…そうきたか…」
「天守く~ん…暮山さ~ん…」
「「ごめんなさい…」」
暑さも薄れ、紅葉が美しい季節になった9月。
外ヶ咲学園は文化祭を1ヵ月後に控えている。今日はそのクラス出店を決めているのだが、僕と那津さんは将棋を打ってました。
「まったく…少しはこっちの身にもなってくれるかしら?」
「申し訳ありません結衣さん」
委員長の結衣さんはご立腹だ。
「はいはい~」
「なんですか?後藤さん」
すると、元気よく憂歌さんが手を挙げた。
「罰として羽流君が女装してウェイトレスやるってのは~?」
「ななななにいってるんですかー!!」
『あははははは』
『相変わらず憂歌は面白いこと言うなぁ』
よかった…クラスの皆さんは冗談だと思ってくれた。
ドンッ!!
皆が笑っていると机を殴る音が教室に響く。
「お前らうるせぇ!寝れねぇだろうが!!」
金髪をなびかせ吼えるのは故巣さん。
「まぁまぁ…故巣ちゃんもやってみない?ウェイトレス」
全員が固まってる中、憂歌さんだけは物怖じせず故巣さんに話しかけていた。
「はぁ!?ウチがそんな……うっ…!」
そこで僕は故巣さんを見る。
知ってのとおり、僕の姉が初代ブラックスコーピオンの総長をしていたということは故巣さんは昔からの知り合いだ。
しかも姉さんはもちろん僕にも頭が上がらないのだ。
それを利用してある約束を取り付けた。
『クラスになじんで皆と仲良くする』
「…そんな恥ずかしい格好できねぇよ…」
約束を思い出したのか故巣さんの口調が少し優しくなる。
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