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☆ ☆ ☆
「なんか凄いこと聞いちまったな」
「そうですね。でも指輪が指から離れないっていうこと事態おかしいですしね」
「俺はまだ信じてねー」
「いい加減認めたらどうだ?渉」
姉さんの説明を終え、男子4人組は屋上で駄弁っていた。
女子は解散したようだ。
「でもお前と生徒会長のほかにもあと3つあるんだろう?」
「学園長が羽流と会長さんだけに配ったってのは考えにくいから…」
「もう誰かが持ってるでしょうね」
「・・・・・・」
「渉君?どうしましたか?」
そういえばさっきから顔色が悪いような気がしたんでした。
具合でも悪いんでしょうか…。
「いや、なんでもねぇ…ちょっと考え事」
「渉が考え事なんて珍しいな」
「……悪い!!俺、行くとこある!」
渉君は勢いよく立ち上がり屋上をあとにした。
「どうしたんでしょう?」
「「さあ…?」」
☆ ☆ ☆
ハァハァハァ…
階段を3段飛ばしで駆け下りる。
俺の予想が正しければ…!
『ガラガラ!!』
勢いよく教室の扉が開かれる。
「…びっくりしたなぁ。どうしたの?渉」
「ハァハァ…咲夜…」
「そんなに息切れして…はは…大丈夫?」
俺はゆっくり咲夜に近づいて小さな声で言った。
「俺はごまかせないぞ…何年一緒にいると思ってる…?」
「へ…?なっなんのこと!?」
咲夜は目を逸らす。
「…俺はお前の味方だぞ」
そういった瞬間。逸らしていた目を俺の目に合わせて涙を流しながら咲夜は口を開いた。
「…グスッ……わたるぅ…」
咲夜の右手には真っ青のタイムリングが握られていた。
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