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かばんを机に掛けて筆入れを取り出す。すると前の席の男子生徒が僕に話しかけてきた。
「おっす!俺、華花渉(かはなわたる)よろしくな」
「こちらこそよろしく渉君」
こうして話しかけてもらえるととてもありがたい。
渉君は黒でツンツンした髪の毛が特徴的だ。
「でも、何でこんな時期に転校してきたんだ?」
この疑問はもっともだ。高校一年生の夏なんて普通はありえない。
「父の仕事の都合で…それに僕、この町に昔住んでたんですよ」
小学生のころだからほとんど覚えてないけど…。
「ふーん…そうなのか。まぁなにかあったら俺に言えよ」
「ありがとう」
最初に話したクラスメイトがいい人でよかった。
よし、この調子で隣の女の子にも話しかけてみよう!
「あのー…?」
「なに?」
薄く茶色に染まった髪をなびかせその子は僕の方を見た。
うわ!すごい綺麗な子だ…。
でも勇気を出さなきゃ。
「よろしく」
「死ね」
クラスの空気が凍りついた。
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