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「はぁ…」
転校してきて最初の1日を終わらせるチャイムがなった。
「ねぇねぇ羽流くん。これから羽流君の歓迎会するんだけど…」
「あ、ずるいー!羽流君!私たちと行きましょうよ!」
「へ!?あの…えーっと…」
帰り支度をしていた僕のところへ数名の女子生徒がやってきてなにやら騒いでいる。
困ったなー…。
「はいはいはい!そこまで!」
この場面をどう切り抜けようかと考えているときに横からポニーテールを弾ませて一人の女子生徒が割り込んできた。
「なによー咲夜!」
「あんたも羽流君狙いなわけー?」
「ちがうわ!どうみても転校生困ってるでしょ。今日のところは勘弁してあげなさい」
咲夜と呼ばれた人の言葉で群がっていた生徒が解散していく。
「ありがとうございます。お陰で助かりました!えーっと…」
「あ、東海林咲夜(とうかいりんさくや)よ。どういたしまして」
なんかカッコイイ人だな…女の子なのに。
「おーい羽流。一緒に帰ろうぜって…何してんだ咲夜、いじめか?」
するとそこへ渉君が姿を現した。そういえば一緒に帰る約束をしてたんだ。
「誰がいじめとるか!ていうかアンタ、いつの間に羽流と仲良くなってんのよ」
「悪いかよ。もう行こうぜ羽流」
「はい。ではさようなら咲夜さん」
「待って!」
「なんでしょう…?」
席を離れて帰ろうとしたとき咲夜さんが僕の腕を掴む。
「これから遊びに行きましょう」
「「ええぇ!?」」
なぜか渉君と驚きの声が重なる。
「なんでお前と遊びになんか行かなきゃいけないんだよ!」
「アンタには言ってないわよ!私は羽流にいってるの!?」
うーんどうしよう…。でも咲夜さんには助けていただいたし。
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