~第1章:出会い~

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気を付けっ、礼っ。 ――――――… ――――… ≪えー、暑い夏休みも終わり… 皆さん、 今日から新学期が――…≫ 「…ッ。…またこの下りかよ。」 俺は 小さな声で床に向かって呟いた。 ちなみに。 この話の下りは 教師の中で今、不動の人気を誇っている… その名も "気持ちを切り替えて、今学期も頑張りましょうね、の下り" …だ。 しかし。 もう何度も同じ事を聞かされ続けているコッチからしてみると ただの迷惑トークでしかない。 ≪9月はー、え――――――… 体育祭もあり、ますます…≫ …つか、あのハゲは いつまであそこで喋るつもりなんだろうか。 さっさと降壇しねぇかな、なんて考える。 ≪…最近では暑さも和らぎ、 大変過ごしやすい日になって…≫ 「…ねぇっつの。」 バカ言うんじゃねぇ。 お前のハゲ頭から 大量に出てる――――… そうそう、それ。 今お前が 汚い雑巾みたいなハンカチで拭った ――――… そ・れ!!! それ、汗って言うんだよ。 何が"過ごしやすい日"だ。 あーあー、もういい。 もはや俺にとっちゃ んなこたぁ、どうでもいい。 早くココ(体育館)から出してくれってのが、今の俺の一番の望み。 つまり、願望って訳。
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