~第1章:出会い~

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始業式が終わると同時に 俺は人を掻き分け、 ダッシュで体育館を出た。 今日の天気は 雲一つない快晴だ。 俺みたいな奴には全く似合わない、綺麗に透き通った空模様。 "秋晴れ"とはこのことだろう。 生ぬるい風が 身体全体を包み込む。 "涼しくて気持ちいい" …とは言い難いが あの体育館よりはいくらかマシか、とは思う。 そんなことを考えてるうちに 俺の背後からは何百人…いや、何千人もの生徒がぞろぞろと体育館を出て、コッチに向かってきていた。 これら生徒は今からそれぞれ自分の"クラス"たる"居場所"へ向かう訳で、 誰一人そのことには 何の抵抗も覚えない。 最近、俺は一体何組に所属してるんだろうか、なんて時々思ったりする。 しかし、 記憶というものはとても曖昧なモノで…よく覚えていない。 ま、分かった所でその"クラス"とやらに行く気はさらさらないんだけど。 めんどくさいからね。 あ、 ちなみに俺は鈴丘高校1年 中津俊汰 -ナカツ シュンタ-。 って、偉そうに 高校名語ってるけど 実は、 ココに来たのは今日で4回目。 俺は いわゆる、サボリ魔だ。
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