~第3章:調査~

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―――… 『…うん、そーゆー事♪』 さっきまで顔を真っ赤にしていた水谷が、 いたって冷静な態度で パソコンの近くまで来た。 さっきの香りが また何倍も俺に近づく。 ――…て、 何意識してんだ、バカ。 相手は仮にも、 昨日逢ったばっかの女だ。 それなのに 何をドギマギする必要がある…? どうして俺はこんなにも カチカチになっている…? … 「はぁ―――――…。」 『…あらあら。 でっかい溜息だこと。』 (…げッッ!!??ヤッベッッ!!! つい――――――…。) 俺は咄嗟に手で口を塞いだ。 こうすれば、 欠伸っぽくみえるかな、なんて思った。 でもそれは 紛れもなく深い溜息で。 『…何か悩み事でも?』 「いやっ、…」 『…??』 水谷は不思議そうに眉をひそめながら『?』を浮かべている。 … ああ、切実に後悔。 バッカヤロー、俺の口。 しかし、もうすでに 祭りの後…? いや…、後の祭りだ。 今、 この状況で心を読まれてみろ。 俺はどんな顔して コイツの家に帰るんだ? ヤバい、ヤバい、 絶対ヤバい…ッッ!!!!!!!! … 俺は心を読まれまいと、必死に会話を続けた。 ――… 「…つか、こんな所に"呪いの傷"の本なんてねぇだろ…。 あったとしても応急措置の本とか… そういうのじゃね?」 『…そっ、そんなの探してみなきゃ分かんないでしょ――ッッ!!! 早く探すよっ!!!!!』 「…いや、 どう考えたって無理だろ…。 大体、 お前は簡単に言うけど、これだけある本の中から あるかないかも分からない1冊を探し出すなんて かなりめんどくさ… 『い――――のッッ!!!! 探すって言ったら探すのッッ!!!』 ――… ―――― ガシッ…!!!! … (え…?) 「ちょっ…水谷!!!?????」 水谷は 俺の腕を掴み、 まるで恐竜が歩くようなドスドスした歩調で図書室の奥へと進む。 「…痛ッてぇ。 痛てぇってば、水――… 『うっさい!!!!!!』 「…………。」 …女は、やっぱ怖ぇ生き物だ。
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