~第3章:調査~

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俺の要求も虚しく、 水谷はその後も、ひたすら俺の腕を握り潰すかのように掴んだまま奥に進んだ。 腕の締め付けられる痛みを我慢しながら奥に進むにつれて、 改めてココの図書室の本の多さに圧倒される。 糞デカい本棚は、目の錯覚のためか、なんとなく曲がって見えて 今にも棚の中から本が落ちてきそうな、そんなカンジ。 今地震が来たらたぶん死ぬんだろうな、なんて思いながら本棚の一番上に置かれた本を見上げた。 しかし、あまりにも遠くにあるせいか、俺の視力が悪いせいか、ほとんど題名すらはっきり分からない。 やっぱり、この図書室で 本を探すなんて絶対に無謀だ。 さっき水谷が使ってたあのパソコンは結局、 探したい本の題名が分かってさえ、場所が検索できるっつー便利なモノだ。 題名も分からない、"呪いの傷"についての本を探すなんて、どう考えたって無理に決まっている。 そう思いながら、俺が上を向いて目を細めていると 急に水谷が足を止めた。 「…うわっ!!!」 前を向いていなかった俺は、水谷が足を止めた事にすぐ反応出来ず 危うく、近くにあった柱に ぶつかりそうになった。 「…チッ、危ッねぇなぁ…。 止まる時くらい言えよな…。」 … 『―――― ごめんなさい…。』 「…いやっ。 うん、いいけどさ…。」 水谷は、 何でもかんでもすぐに謝る。 だから何故か怒れないし、憎めない。 なんか、そういうのがセコい。 ズルい。
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