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『たぶん…この辺り一帯にあるのが全部、"傷"に関する本のハズよ。』
水谷は本棚をぐるりと見渡しながら言った。
何故かこの辺り一帯の本は、図書室の入り口付近に置いてあった本と比べて、少し古い本がズラッと並んでいる。
俺は目線の高さにある棚に置かれた本に、少し目をやった。
"医療"―――…
"応急措置"―――…
"細菌"――――…
俺の目に飛び込んできたのは、紛れもなく"傷"についての本だ。
しかし、俺らの探している本は
"傷"は"傷"でも"呪いの傷"の本。
俺は水谷と一緒に、本棚の下の段にある本をかたっぱしから取出しては開き、開いてはまた閉じて、元に戻す―――――…
という地味な作業を
ひたすら繰り返した。
その間、
どれくらいの時間が経ったのかなんて、知るよしもない。
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