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―――――――…
―――――…
――――…
…
「はぁ―――――…。」
…
あーあ、ちくしょう。
こんにゃろー。
バカヤロー。
『…ははっ。無いね、全然。』
「…だから言ったじゃねぇか。」
その後
なんとか下の段の本は一通り見たものの、お目当ての本らしきものは全く見つからなかった。
やはり、どれもこれも"応急措置"などの"医療"に関する本ばかりだった。
…あーあ。疲れた。
ホントに疲れた。
…
ふと図書室に掛けてある時計を見る。
(6:45――――…。)
本を探すのに
夢中になっていたせいで時間が経っている事に気が付かなかったが、
既にこの場所来てから
5時間半以上が過ぎていた。
窓の外は薄暗くなっていて、おまけにザーザーと雨まで降っている。
――――…
『はぁーあ…。あると思ったのになぁ…。』
水谷は完全に
しょげてしまっていた。
そんなにしょげられると、コッチも対応に困るってモンだ。
―――――…
「…ま、しゃあねぇ。
今日はとりあえず諦めて、また明日探すか。」
『えっ、…?』
水谷は目を丸くして驚いた。
何がそんなにおかしい…?
…
「―――…んだよ。
もう探さねぇのか?」
『あっ、いや…うーうんッッ!!!
探す、探すッッ!!!探すともッッ!!!
いや、なんかっ…。
まさか明日も探してくれるなんて思ってなくて、ビックリした…。
それで嬉しくて…。ははは。』
―――あ、そう。
「…つかお前、何でそんな顔真っ赤なの?」
『…へッッ!!???
まっ…、まぁそんなこと
分かんなくて結構♪~
さっさと帰るよ…!!!』
「…?」
結局水谷は、
顔が赤くなってる理由を言わないまま、
俺と一緒に図書室を出た。
―――正直、気になる。
靴箱へ向かう途中、俺は何度か水谷に尋ねてみた。
しかし返事は曖昧、且つ適当。
…
なーんか怪しい。
水谷が変だ。
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