人生初、失敗

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ラグビー部に胴上げされるやつ 親に電話で喜びを告げるやつ 友人と熱い抱擁をしているやつ そしてその場から動けない自分 俺が…落ちた!? 頭をトンカチで殴られたように頭が揺れ、酒を飲んだように足がしっかりしない。 何か言おうとしたが、いつの間にか喉が渇き、言葉は出てこない。 鞄の携帯の着信が妙に大きく聞こえる。 動かない手を無理矢理動かし、画面を確認すると母親からの着信。 通話ボタンを押し、ゆっくりと携帯を耳に近づける 「もう結果見た?お祝い料理出来たから早く帰ってきてね」 それだけ言い残し、母親は電話を切った。 違うよ母さん 俺、受からなかったよ 失敗したんだよ、受験 そうだ、不合格なんだ その言葉が脳内でリピートを繰り返し、気がつくと目の前には青空が広がり、力が抜けた。 「君!どうしたんだ!?」 白石慎也シライシシンヤ(18) 彼女無し 人生初の失敗であったー
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