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『梓、起きれ。』
揺られつつ呼ばれた声で目を開ければ慧チャンの顔が真正面に在って。
声にならない音と共に後ずさってみたけど。
背中には扉しかない。
朝も早かったから、いつの間にか寝ちゃったんだよね、あの時。
しかも、起こされるとか恥ずかしい…。
『もう、帰るし送ってくけど、家どっちやっけ?』
『や、大丈夫です。近いですから…。』
そんなやり取りだったと思う。
無言で立ち上がらされて、そのまま繋がれた手に引かれて校門を抜けて。
促されるまま歩いたあの日…。
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