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「何、よそ見してんだーー!!!」
鬼塚だ!忘れてた。
鬼塚の拳はもうそこまで来てた。
嫌だ!殴られたくない!
行織は『それ』を握ったまま、思い切り鬼塚に拳を伸ばした。
当たった。が当てられた。
行織は頬に、鬼塚は腹に。
行織はそのまま尻餅をついて叫んだ。
「痛ッッテェェェエ!!」
行織はとっさに鬼塚を見た、見ようとした。
鬼塚は…。
あれ?鬼塚がいない!消えた?
鬼塚はいなかった、さっき立ってた場所にいなかったのだ。
「あ…あそこっ…!」
皮矢が細々とした声で指を指し言った。
行織は皮矢の指の方向を目で追わせる。
鬼塚はいた。
扉に身体を任せ座り込んでいた。
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