2章 出会い

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「何、よそ見してんだーー!!!」 鬼塚だ!忘れてた。 鬼塚の拳はもうそこまで来てた。 嫌だ!殴られたくない! 行織は『それ』を握ったまま、思い切り鬼塚に拳を伸ばした。 当たった。が当てられた。 行織は頬に、鬼塚は腹に。 行織はそのまま尻餅をついて叫んだ。 「痛ッッテェェェエ!!」 行織はとっさに鬼塚を見た、見ようとした。 鬼塚は…。 あれ?鬼塚がいない!消えた? 鬼塚はいなかった、さっき立ってた場所にいなかったのだ。 「あ…あそこっ…!」 皮矢が細々とした声で指を指し言った。 行織は皮矢の指の方向を目で追わせる。 鬼塚はいた。 扉に身体を任せ座り込んでいた。
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