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「うっしゃ!メシだメシ!!」
さながら子供のようにはしゃぐ光太にポカリと一発くれてやった。
「少しは落ち着いたらどうだ?全く・・・・、お前はなんでこう昔からメシの話になると騒ぎだすんだ」
「うるせぇ。お前だって色恋沙汰になると顔が真っ赤になる癖直ってねーだろうが」
全くもって反論出来ない人物がそこにはいた。
「し、仕方ないだろう。まだ慣れられないんだから」
必死に反撃に至ろうとしたところで先に座って待っていた彩香が不意に抑えた笑いを出した。
「ふふふっ」
「な、なんだよ」
「ゴメンゴメン。なんか懐かしくって」
「うん。確かにね」
俺達には意味不明な発言に陽子が同意した。
「だよね。こんなに大騒ぎしたのは久しぶりだよ」
「そうかな?・・・・って早くしないとメシが悪くなっちまう!!頂きます!!」
「どうぞ召し上がれ。お握りだからあんまり豪華じゃないけどね・・・・」
小さな手で握られたであろう三角を少し口に含み、彩香は照れ臭そうにいった。
「いやいや、日ノ木さんの料理はどれも上手だよ」
対して光太の三角は大きい。きっとこちらは陽子が握ったのだろう。
「悔しいけど認めざるを得ないわね。相変わらずヒノには敵わないわ」
「そうかなぁ?私はちーちゃん程頭よくないからちーちゃんが羨ましいよ」
お互いを褒めちぎる大会が勃発しそうだったので無理矢理話の軌道を変えた。
「こうやって考えると皆何かしら突出した長所があるよな」
「じゃあ俺は何さ?」
「お前は何でも普通にこなせるだろ。で、陽子は勉強が物凄く出来る。彩香は・・・・・・・・」
突然言葉に詰まる。一応あるにはあるのだが・・・・・・・・
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