帰り道

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突然、小さな反動と共に嗚咽していたハナ太郎の身体が後ろから抱き締められた。 思いがけず、涙も止まる。 「?!///み゛づ…」 久々に大泣きしたハナ太郎は、鼻が詰まり、酷い声である。 あまりの声の酷さに、恥ずかしくなり、それまで号泣していた事も恥ずかしくなり、現在魅月先生から抱き締められてると言う状況も……、と羞恥心が連続的にハナ太郎を襲っていた。 (ああああ…///わ、私はなんて事を……っ/// これでは子供の様だと笑われてしまう…み、魅月先生だってお困りに……ッ!!!////////) とてつもない後悔と羞恥心でハナ太郎は何も言えず、テンパっていた。 「…ハナ。」 顔のすぐ横で魅月先生の声がし、ハナ太郎は硬直する。 同時に鼓動が、動悸のように早鐘を打ち始めた。 思わず逃げ出したくなるが、しゃがみ込んだ姿勢のまま確り抱き締められていて、動けない。 「ハナ、聞いて。 ハナ…、ハナはね、ハナは悪くないよ。」 「──」 ハナ太郎は一瞬動悸が、心臓が止まった気がした。 「…今までだって一生懸命やってるの、俺は知ってるよ。…偉かったね。」 普段話すときのような軽いトーンとは違い、ゆっくりと落ち着いた口調で魅月先生はハナ太郎に言うと、魅月先生は右手をハナ太郎の額に乗せ、自分の頭をハナ太郎の頭に乗せた。 「…良く頑張ったね。」 より耳元の近くで囁かれる声に、ハナ太郎は身体が熱くなった気がした。 同時に、胸の中まで熱くなり、止まっていた涙がまた流れ出そうになった。 褒めて貰えるなんて、思わなかった。 不安ばかりで自信が無い自分を笑われるかと思った。 こんな風に、まるで大事な物を扱うように抱き締めて貰えるなんて…… 「ハナ、俺はハナが望むならずっと一緒にいてあげる。 絶対離したりしないから、だからハナ…、俺ね、ハナの事──」 ─ガバッ!!! いきなりハナ太郎は立ち上がり、魅月先生に向き直ると、その僅かに華奢な体に抱き付いた。 体格差もあり、今度はハナ太郎が魅月先生を抱き締める形となる。
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