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白が試合の場に立つと、一気に歓声が起こる。
まだ勝ってもいなければ、戦ってもいないのだが。
第三試合、白対斎藤。
土「始め!」
そう土方が言う。
試合を始める合図だが、斎藤は動かず、それに習って白も微動だにしない。
斎藤は真っ直ぐに白を見つめる。
隙でも探っているのか。
黒「白に隙なんて、ないんだよなぁ。絶対、白には勝てない。」
と黒は、遠くからその光景を見て呟いた。
いまだに静寂が続く。
斎「……あんたとは一度、試合をしたいと思っていた。」
その空気を破ったのは、斎藤。
白「僕もですよ。」
白もそれに笑顔で、同調する。
斎藤は、竹刀を強く握り直した。
そして、それは白も同じ。
バッと、二人同時に動く。
竹刀がぶつかり合い、軋むような音もその場に響いた。
激しい打ち合いが続いた。
そして、
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