第一話:忘れ物

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「…あ」 うだるような暑さの田舎道、高崎翡翠(タカサキヒスイ)は立ち止まった 今日、授業で使った柔道着をそのまま教室に置きっぱなしだったことを思い出したからだ ちなみに彼は柔道部などではなく、ただの帰宅部である 帰宅部である理由は特になく、ただ、やりたい部活がないという理由だった だから、別に柔道着にこだわりがあるとか、執着があるとか、大切なものというわけでもないのだが… (絶対カビるからなぁ…) そう、こんな夏場に汗の染み込んだ柔道着を教室に放置するなど愚の骨頂 しかも今週は祝日も挟むため三日は学校に行かない… (取りに行くか…) 彼は重い足取りで学校へ向かった
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