声に恋して。

思案(yusg)

「いやだから知ってるっt」

「だぁぁ！お前ホンット分かってねーな！？俺はだな、お前を恋愛対象として好きだって言ってんだよ！」

半ばヤケクソな杉 田の声に、俺は目を瞬く。

「まだ分かんないですか！？俺はお前とあんな事やこんな事がしたいんだ！」

「や、もう分かったからお前黙れ。ご近所迷惑です」

すっかりシリアスな雰囲気は飛んでいってしまい、杉 田は杉 田で「俺めちゃくちゃ変態発言してんじゃん！」とか言いながら悶えている。

「……まあ、いんじゃね」

「…なにが」

「付き合っても、いんじゃねーかな」

……その時俺は、杉 田に対して恋愛感情は持っていなかった。

なのに、今となっては。

「すぎたー…」

会いたい。触れたい。

そんな思いが頭の中を渦巻くばかりで。

電話をしてみたら、これからラジオの収録があるらしく、結局また、すぐに切れてしまった。