思案(yusg)

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もういいや。 ベッドに寝転がり、四肢を投げ出す。 「…ん?」 顔を横に向けると、丁度視界にカレンダーが目に入った。 「…あれ…?今日って…、10月11日だったか…?」 そう言葉を発して1秒もかからずに理解した。 今日は杉田の誕生日だ。 「チッ…、クソ」 もう12日になるまであと1時間を切っている。 しかも杉田のラジオの収録なんか、絶対に長くなるに決まっている。 おめでとう、の一言も言えずに終わるのか。 恋人の誕生日を忘れてたなんて最低だな。 そんな自己嫌悪に陥る中、更に追い討ちを掛けるように脳内に浮かぶ考え。 …杉田は怒ってるんじゃないのか? 「ちょっと待てよ」 誰に言うわけでもなく呟いてから上体を起こし、昔のことを思い出す。 奴は友人関係にあった時も、誕生日が来ると『中村ー、プレゼントは?』などと図々しく聞いて来やがった。 そんな奴が、恋人同士である今、誕生日を忘れられて怒らないはずがない。 「やべぇな、こりゃ…」 杉田の機嫌を損ねるといろいろ面倒だ。 解決策を練っていると、玄関が開く音が聞こえた。
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