19人が本棚に入れています
本棚に追加
ホラーか!と内心叫びつつ、こんな夜中に普通に入ってくるのはアイツだけだと冷静に考える。
きっと合い鍵を渡してある、杉田だろう。
ゆっくり寝室に向かってくる足音に、少しだけドキドキしていると。
開いたドアの先にいたのは、やっぱり杉田だった。
「お、おかえり」
部屋を暗くしていたため杉田の表情が分からない。
とりあえず言ってみたものの、無理矢理作った笑顔は少々引きつっている。
そんな矢先、杉田が電気を付け、次の瞬間杉田が抱きついてきた。
「うおっ、おま、なんだよ急に」
「感動した!」
「はあっ?」
体から少し離れて俺の目を見る杉田は、珍しくニコニコと笑っていた。
「今の、夫婦っぽかった!」
「だからなにが」
「おかえりって言ったろ?俺旦那みたいじゃね?」
キラキラと瞳を輝かせる杉田に、俺はガックリと肩を落とす。
…心配した意味ねぇじゃねぇか!
「収録後に兄さんに会ってなー、久々に中村くんとこ行ってみればーって言われたら来てみたんだけど!んだよ中村ぁー、サプライズ?いやプロポーズ?もー気が早いわよ!」
一人で盛り上がっている杉田を無視し、こっちも一人で思った。
「うん…、同棲、するか…」
…誕生日を忘れないために。
ちなみに同棲の件は
「え!?マジで!?夢のマイホームかオイ!ちょっと俺お母さんに電話「やっぱやめようか!」
なんだかいろいろと困りそうなので、もう少しゆっくり考えることになりました。
-end-
最初のコメントを投稿しよう!