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「神谷さん、練習に付き合ってもらえませんか?」
DGSの収録が終わり、目の前の小野君に僕は非常に困っていた。
BLのドラマCDで、俗に言う『受け』をすることになった僕。
どうやら小野君は、『攻め』役らしい。
それだけでも勝手に気まずい思いをしていたのに、この男はそんな僕の気持ちを汲み取る様子もなく、いつものように目をキラキラさせている。
「久々に神谷さんち行きたいですし!…あ…、都合悪いですか?」
答えを返さない僕を不思議に思ったのか、小野君が心配そうに聞く。
「…いや、大丈夫だよ。じゃあ来る前に電話入れて?」
「はいっ!」
笑顔で返事をしてから去っていく彼の後ろ姿を見て、はぁ、とため息をついた。
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