プロローグ

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 小百合は立ち止まって、メールの内容を見た。祐次も立ち止まって、メールを覗き込むように見た。 『“コエ”に従って、開始』  祐次は怪訝そうな顔をした。 「なんだこれ気にするなよ。ただの迷惑メールだろ、行くぞ」 「う、うん」  いやな予感を小百合は感じながらも、携帯を閉じて歩く祐次の隣に行った。 『登録完了いたしました。新しい世界へご案内いたします。思う存分、お楽しみください』  次の瞬間、せみの声が遠くに聞こえ、視界は闇に包まれた。
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