№1 目覚めの場所

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「――い」  誰かの声が聞こえ、自分の体を揺さぶられている。誰か、起こそうとしているのだろうか。 「…り。…ゆり」  誰かが自分を呼んでいる。誰なんだろ。かすかな意識を取り戻そうとした時、大きな声が聞こえてきた。 「おい、小百合。起きろ!!」 「っ!」 「やっと起きたか」  小百合は目を見開かせて体を起こした。声の主は祐次だった。祐次の声は起こっているようだった。小百合は慌てて謝罪を述べた。 「ごごご、ごめん! 寝ちゃった!! 勉強中に…」 「なんで、勉強中なんだよ」 「はい?」  顔を上げると祐次は呆れていた。 「見てわからねぇの?」 「え?」  ちゃんと周りを見ろ、と祐次の一喝を食らわされると何も分からぬまま、小百合は辺り見渡した。 「俺らは勉強なんてしてねぇよ」 「えぇ?」  そっかぁ、なるほどー。だから、部屋じゃなくて外…。外?   「えぇぇぇッ!?」  なになになに!? どうなってるの!?   「なにここ!?」 「なにって俺らの住んでるところだ」 「いやいやいや、そうじゃない。なんでうちら、外にいるわけ!?」  じたばたという音が出そうな小百合は辺りを見渡した。混乱している。どうして外に?
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