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「では、まず要」
「はい
(初っぱなから呼び捨てかよ…)」
返事はしっかりするもそんなことを思っていると
「この邸の中では皆さん゙家族゙です
゙家族゙は名字で呼び合いますか?」
「い、いえ…
(まさか、俺の考えてることバレた?!)」
長岡の言葉に焦りを感じた要
そんな要の考えをわかってかわからずか長岡は話を続ける
「もちろん私たちにも自分より目上には敬意が必要です
あとは立場
貴方の場合、お嬢様の世話係と教育ですが──…
当分こちらの仕事は結構です」
「ぇ──」
「まず今日1日でそのファイルの中身を全て覚えてください」
「はいそれはもちろん──」
すると長岡はは要の言葉を遮り言葉を続ける
「覚えて頂くときは皆さん初日は覚えることに集中してもらい、その次の仕事に支障が出ないようにするためです
ですから今日は1日覚えて頂くことに集中してもらいます
とりあえずそうですね──
目処は二・三ヶ月」
そう言って指を二本から三本に立て、チラッと要を見た
「二・三ヶ月?」
わからず聞き返す要に長岡は頷きながら言葉を発する
「お嬢様に付きっきりでやって貰う期間です
それは私が見て判断しますが──
それから正式に貴方にこの邸の仕事にも就いて貰う予定ですので、まずそのファイルの中身を今日中にお願いしますね」
そう言って要が持っているファイルに視線をやり要を見る
「わかりました」
「それでもやはりわからないことがあると思いますので、その時は遠慮なく私や邸の者に聞いてください」
「はい」
素直に返事をすると少し前を歩いていた長岡が止まり要も必然と止まる
「ここが貴方の部屋になります」
そこは執事長室の隣にある部屋だった
「え──あの…」
戸惑いの声を発する要
それもその筈である
本来入りたての執事はほんと端の部屋か相部屋である
その邸により違うとは思うがなぜあえて執事長室の隣の部屋なのだろうか
そんな疑問を持っていると長岡は要の顔を見てきた
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