STORY.②

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    「先程の゙立場゙と言ったことを覚えていますか?」     「ぁ…はい ゙目上には敬意が必要です。あとは立場──゙ でしたよね」     「そうです この邸で唯一就いておられるのは私と拓海とメイドの茜だけ 旦那様には私、奥様には拓海と茜、そして今回お嬢様には要が就きました 必然的に貴方がその位置(部屋)になるのです」     「──…」     この邸に来て初日からこんな立場になるとは思わなかった要はビックリして声が出なかった     そんな要を他所に長岡はその部屋を開けた     「どうぞ 今日から貴方の部屋です」      長岡に扉を開けて貰うと六畳ほどの白を基調とした明るい部屋 入ったすぐに目の前に窓がありその側にはベッドがある     左奥には真新しい机にその横には本が置けるよう棚もある     更に部屋の中に入ると扉の左手にはクローゼットもあった     「必要最低限の物は全て置いてありますが私物もあると思い、ある程度物が置けるよう空けてあります   この部屋は貴方の部屋なので好きに使ってください」      「ありがとうございます」     長岡の言葉に直ぐ様お礼を言った     「少し外します そちらに貴方の持ってきたケースが置いてありますので整理をしておいてください」     そう言って部屋を出ていった     閉まる音と共に部屋の中には静けさに包まれた     要は机に分厚いファイルを置くと、ベッド脇に置いてあったキャリーケースに手を伸ばしそれを横に倒すとケースを開けた     中身を出しながら片付けるためクローゼットを開けると、右には燕尾服が四・五着置いてありその下には黒の革靴が二足置いてある そして左下の方には三段のタンスが置いてあった     開けると何も入ってなかったため、持ってきた普段着類を入れる     燕尾服が掛けてあるその左側は何も掛けられておらず、そこにもジャンパーやコートなどを掛けていった     そして机の上段の引き出しを開けるとペン入れのスペースがあり、そこには持ってきた愛用のボールペンやシャーペン、サインペンを置いた     更にノートを数冊入れると引き出しを閉め、持ってきた本が何冊かあり良く目にするものを机の本立てに、それ以外は机の隣にある棚に並べていく     ケースからすべての荷物を出し終え整理が終わった頃部屋にノックの音が響いた     
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