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「あ、あの───
失礼ですがお二人のご関係は…」
要が言いにくそうに言葉を発する
「ただの主従関け───」
「拓真とは幼馴染みなんだよ」
長岡の言葉の上に翼が被せて言う
「お、幼馴染み…
ですか?」
「そっ
幼馴染み」
翼は語尾にハートマークが付きそうなぐらいニッコリとした顔で答える
長岡はあからさまに嫌な顔をし、深い溜め息をついていた
「いくら幼馴染みとは言え、このお屋敷でお側に御使いしている以上、私とあの方はただの主従関係です」
「わかりましたか!!?」
と顔はニコヤかにも関わらず長岡の背後には黒いものが出ていた
その威圧とも取れる長岡に要は一瞬言葉を失うがなんとか
「──…ハイ」
と小さい声だが返事が出来た
しかし翼は頬を膨らまし
「拓真は自分に厳しすぎる!!
2人の時は関係ないと言ったじゃないか!」
と口をタコのように尖らせていた
「お言葉を返すようですが旦那様───
今は(どっからどう見ても)2人ではありませんが!!?」
またまたニッコリ笑うブラック長岡
この時要は
「この人だけは敵に回しちゃいけない」
と瞳を閉じて自分の胸に握り拳を当てながら心に堅く誓った
要が瞳をあけて2人をみるとそこには──────
若干頬を腫らせたぼろぼろの翼と、その横で優雅に立つ長岡が居た
「(……
俺が目を閉じてる数秒に何があったんだ…)」
さらに長岡が恐くなった要であった
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