第一章 大樹から落ちてきた少女は

4/25
前へ
/102ページ
次へ
「それにしても結菜嬢、昨日はよく逃げ切れたな~」 手際よくカードを配りながら、加恵はふと思い出したように言う。 「どうやってあの大勢の人たちを振りきったんですか?」 「なぞ……」 配られたカードを整理しながら訊かれて、アタシは戸惑った。 どう頑張っても、あのロープのないバンジージャンプから目覚めるまでの記憶がない。 「ち、ちょっと訊いてもいいかしら?」 「どうしたんだ?」 「加恵たちがここに戻ってきたとき……アタシ、どこにいたの?」
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加