第一章 大樹から落ちてきた少女は

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「じゃあ、いくぞ。せー…」 「カエ」 「ん?」 「ちゃんと、受け止めて」 「え、なにを?」「のっ!!」 ガンッ 遥って、意外と脚力あるのね……樹がぐらぐら揺れて―― バキバキッ 「え?」 「きゃあっ!!」 「うわっ!?」 えっと………樹の上から女の子が落ちてきました。 なんとか加恵がキャッチしたけど……なんか、カブトムシとかセミを採るときみたいね……。 「ないすきゃっち」 「ちょっと、だれよ?木揺らしたの……って今の声……」 少し混乱しているのか、加恵に抱えられたまま辺りを見回す女の子は、アタシの方を向いた。 ――正確にはアタシの隣を。
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