第一章 大樹から落ちてきた少女は

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「霧也っ!!」 加恵の腕から飛び降りた少女は、霧也の方に駆け寄る。 そして霧也も、自分から走り寄り少女に抱きついた。 「久しぶり……サク」 「久しぶり!相変わらず可愛いね~。アメいる?」 「いる」 抱きつく霧也の頭を撫でるこの人の声……あのときの女の子? 「ん?」 あまりにもじろじろ見ていたからか、こっちを向いた彼女はアタシを見つめてくる。 「あ、昨日の金髪ちゃんじゃん。霧也たちの仲間だったんだね」 フードを取っているから誰だかわかんなかったけど……よく見たら、服装同じじゃない。 気持ち良さそうに撫でられている霧也を見て微笑んでいた裕也は、未だに状況がわからない私たちの方を向いてこう言った。 「この方は、桜さん。 いつも僕たちが盗んだものを買い取ってくれている人です」
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