ベタは突然に。

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瞬きの数だけキスをして はベタ過ぎるほどの恋愛映画だった。 惹かれ合う主人公共が、 色んな障害を乗り越え、最終的にはハッピーエンドで終わる。 ベタ中のベタだか、 恋愛から大分遠ざかり、 日々、韓国だのEXILE ましてや、漫画の架空の人物で興奮している私達はとても満足していた。 「畑くんのさ、【恋はするんじゃない、堕ちるもんだろ?】やばかったねー!」 興奮が冷めないリカが、 珍しく早口で喋る。 「そのあとの、陽子の【あ、今、わたし、堕ちた。】ってセリフ!やばくない?かわいすぎ!」 興奮が冷めず、わーわー喋ってると、リカが言った。 「ねーリカおしっこ行きたい。」 私達はトイレに向かいましたとさ。 「そこの角曲がったとこよね?」 と、私がみんなに聞いた時、 「畑くんヤバいね!恋は堕ちるものってよ!ヤバいね、国語の教科書入れるべきだね!!」 と、うるさい声が聞こえてきた。 「あ、最初うるさかった時の人達じゃないー?」 そうだ、そうだ!と、 カオリの問いに首を縦にふって全力で頷く私。 「まぁ、上映中は静かだったから、いいんじない?」 と、優しいアユちゃん。
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