第二章

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「優斗………どこ………?」 優斗が居ないことにいち早く気づき、取り巻きたちは学校を隈無く探し回っていた。 フラグが立ちそう保健室、昼食時によく来る屋上や中庭にあるポプラの木のしたなどそこら一帯を探しても優斗の姿は無かい。 いつもなら皆で帰宅の途につき仲良くしながらもお互い牽制しあっているはずなのに。 「もう!優斗何処にいんのよ。」 ツンデレ担当の少女(名前忘れた)もいつものツンツンデレデレな態度を一切現さず、大粒の汗をかきながから探していた。 皆、必死なのだ。 あの主人公はところ構わず女の子を引き寄せてしまう。最近また新しいヒロインが出来た。これ以上増えてしまえば、キャラがダブってくる。古参のヒロインたちはどうしても新しいヒロインができてしまえば影どころか存在自体が薄くなってしまう。 「奥の手しか………残されていないわね。」 幼なじみ担当の少女がポケットからスマートフォンを取り出した。 幼なじみという立場を利用して優斗の鞄にGPSの発信器を取り付けた。他にも去年の誕生日に渡したプレゼントには色んな物が積まれてある。
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