第二章

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星悟視点 「はっくしょん!?」 優斗がくしゃみをした。 俺達が来てから一時間と少し、優斗は即戦力となっている。のみ込みが早いとかそう言うのではなく、何か手慣れている。 優斗が自分の姉にパシリとして使われていたのが、意外な形で役にたったのかも知れない。そして、その甘いマスクと相まって女性のお客が一気に増えた。僅か一時間やそこらで女性の人気が集まるのは、やはり補正も関係しているのだろうか。 どうせどこかの女の子たちがあいつのことを噂しているのだろう。 しかしそんなことはどうでもよい。女性が増えると言うことは、それを目当てに来る男の客も少なからずあるのだ。 「あら、坊や可愛いいわね。」 「食べたいちゃい。」 綺麗なお姉さんたちと優斗・如月が和気あいあいといい感じの雰囲気が漂っているのに対して…… 「俺、生まれ変わったら女性用下着になるんだ。」 「じゃあ、俺は女性の肌についている細菌になりたい。」 人間であることを諦めた男たちのどんよりとした黒い空気が漂っている。 俺もあっちのオシャレでいい香りがしそうな区画へ行きたい。勇気を出して優斗と代わってみたら殺されそうになった。
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