第二章

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バイトが終わり家に着く。勿論鍵は閉められており、昔鍵を拝借して無断で作った合鍵で勝手に中へ入った。 リビングだけに小さな灯りがポツンと一つだけついており、そこから伸びる人影は間違いなく彼だ。 「天海さん。これ今月の家賃と生活費を合わせたお金です。」 天海正一 間違いなくこの家の家主であり、俺はこの人の血を半分引いている。 そしてもう俺はこの人を父と呼ぶこと無いだろう。 すでに勘当されており、俺はこの家の一室を借りているただ他人なんだ。 「………七万五千円。お前みたいなクズを雇ってくれる店もあるんだな。物好きなことだ。」 それ以上の会話が無く、沈黙がおとずれる。 金は渡した。もうここに居ても意味は無い。 「それでは継続的に部屋を借りますので、私はこれで失礼します。」 階段を誰も起こさない様にゆっくり上がり自分の部屋へ消えていく。 勿論、返事が返ってくることは無かった。
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