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少女たちの煌めく汗は宝石の様に輝いていて、店に来た男性客を悶えさせる。
可愛い女の子たちが不慣れな仕事を一生懸命こなしている姿は青春だなと思わせてくれる。
そして、ちゃっかり好きな異性にスプーンを落としてみたり、転んだふりをして抱きついてみたりする姿は見ていてとてもいらいらする。
そう、桐島優斗は今理性と闘っている。
いつもより大胆な取り巻きたちを相手にして、純粋な優斗は顔を真っ赤にさせていた。
「あっ、優斗、ごめん。」
また、取り巻きの1人がわざとらしく転び優斗に抱きついてくる。
それと同時に送られる客からの死線。
鈍感である優斗には物凄く居心地の悪いことだろう。でもだからと言って、そんなことは俺にはまったく関係の無いことだ。
俺もその1人なのだから。
「………彼女たちばかり優斗さんと楽しげに………私も混ざりたいのに。」
客が男性だけであり、男性恐怖症である如月は接客に出れるはずもなく、黙々と料理を作っていた。
独り言を呟いては、隣にいて如月と一緒に料理している俺の足を踏んでくる。
地味に痛い。
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