第一章

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厳しいようだが、優斗の姉さんも親から優斗を自立させたいのだろうから、人に頼っては駄目だろう。 「優斗……私の……ボディーガード。」 名すら忘れたクーデレ担当の女の子の発案。意外に金持ちだったらしい。 「わ、私の下僕としてなら使ってあげなくても無いわよ。」 何、その不条理な提案。しかもお金を払うなんて一言も言っていない。 「え、遠慮させてもらうよ。」 きっ張りと断った。今日は静止役の周防さんはいない。お母さんのお見舞いに行ったらしい、家族の時間を邪魔してはいけないのだが、タイミングが悪すぎるだろう。 妬ましいのは変わらないが、つくづく平和に感じてしまう。優斗は今日も取り巻きに囲まれ、俺はぼっちだ。 ぼっちで思い出したが、そういえば俺のバイト先のマスターが世界中のコーヒーを探して海外へ旅行に行くとか言っていた………確か、今日からだったはず。 「優斗。1つだけなら紹介できるぞ。」 本当は紹介したくないが、如月がいるため他の誰とも知らない人間を雇うよりましだろう。 それに、如月自身喜ぶだろう。反応を見る限りあいつは優斗のことが好きだろうから。
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