第一章

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「はあっ、はあっ。」 少し息を切らして、走ってきたかいあってか店内には数人しか客が見受けられない。それも、店の常連客ばかりで如月の男性恐怖症を知っている人たちばかりで安心した。 それにしても優斗の息が全く乱れていないのは、日頃からの運動の量の違いだろうか。 主人公と脇役に良くあるパターンは脇役のほうが運動神経が良く、主人公は運動部には属していない。その癖、いざ本気出したら脇役よりも圧倒的に活躍する。たまに、良く分からない格闘技を習っていて超人的な体力、運動神経を持っている奴もいる。 どうやら俺はその例には漏れているらしいが、優斗が本気を出せば一体どうなるのだうか。 「お前帰宅部だろう。どうしてそんな体力あんだよ。」 率直な疑問をぶつける。やはり例に漏れず自身で鍛えたりしているのだろうか。 「ちょっと格闘技をかじっているくらいだよ。」 それは最強ってことですね。分かります。 「でもまだまだだよ。師匠の足元にも及ばないよ。」 …………そうですか。
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