最愛の君

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「寝坊か…?」 2年経ってもお互いの気持ちは変わることなく、お互いがお互いを必要とした 喧嘩はあったものの、話し合いで全て解決した ほとんどの喧嘩の原因となったのは美月の嫉妬心と勘違いからであったが そして今日はもう何度目かと数えても分からないデートの日である だが、待ち合わせの時間になっても、美月はなかなか現れない 場所を間違えたかもと何度か昨日のやり取りのメールを見直したが、場所も時間も間違えていない 「(美月が遅刻なんて珍しいな…)」 大抵は自分がいつもほんの少し遅れて、美月はいつも時間よりも早くいる 慣れないデートの始まりに、若干違和感を覚える いつも自分が遅れているせいか、遅れている美月には怒りはまったく感じなかったがさすがに何の連絡もないと心配する 電話をかけてわずか1回のコールで美月は出た 「美月?どうした?」 「っ…!はるっ!助け…!!」 怯えたような、震えた声 一瞬だったが助けを求めているのは分かった 直ぐに切れた携帯を握りしめ、走り出した
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