浄化とかって大抵光か炎のイメージだよね

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――怖い、と言うわけではない。 アリアに覚悟は確かにあった。 だが、意志だけは固くとも、体はついては来ていないようだった。 (私は、こんなに弱かったのか) 警戒しておこうと、剣を握り直そうとするが、巧く剣が握れない。 なので、柄の布は解けるようなのでほどかせてもらい、手に縛り付けた。 少なくともこれで戦闘中に落とすことはなくなるだろう。 「来たぞ!」 メイの声を聞いて前を向くと、やって来たネズミは先ほどよりか多く、10匹以上は居るだろう。 「〔イ・ラードン〕」 メイは威嚇になのか、無属性の放出魔法を唱える。 これは小さい砲撃のような技で、威力は弱いが、まともにくらうと痛い目に遭う。 この魔法により魔物は左右二手に分かれ、前に進んで行く。 「俺は左、アリアは右を頼む!」 「わかった!」 5匹は居るネズミに、剣を向ける――が、横に避けて行こうとする。 魔力を薄く足の裏に集め、素早く移動し―― 一匹はそのとっさの動きに対応出来なかったのか、倒れた。 すると他の4匹は動きに警戒し始め、剣を振るうが全く当たることはなかった。
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