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そして――異変は起こったのだ。
――このままでは全滅する。
そう悟ったのだろう。
多くの死骸を残しながらも、今まで兵士を相手にしていた魔物が突然、戻るかのようにしてやって来た方向に向かって走り出したのだ。
兵士はその突然の行動に、戸惑いを露わにしていた。
そして一部の兵士は僅かに気を緩ませていた――
これで、終わるのではないか、と……
だが、現実はもちろんそうなるわけがない。
先ほど確認した、奇妙な出で立ちの魔物に、一斉に集まり始めたのだ。
「うわ……」
「なんだありゃぁ」
うぞぞぞぞぞぞぞぞぞ……
小さいはずなのに、多くの数が寄ってたかって鳴いているため、キィキィと鳴き声が聞こえてくる。
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