829人が本棚に入れています
本棚に追加
今後、この力のことに関してもめ事が起こる可能性がある。
出来ればあまり周りに迷惑を掛けたくはないと思っていたのもあり、メイに話すことを躊躇っていた。
だが、精霊達の言葉を信じると、メイにこの能力のことを言っても良い事になる。
――なら、遠慮は要らないだろう。
すー
はー
一度深呼吸をすると、アリアはメイに視線を合わせる。
「あのさ、メイ。私は確かに力を持ってる。
ちゃんと使えるかはよくわかんないけど、けどその事はちゃんと言える」
「……そうか」
「私が持っているのは、世界を修正・補正する力。
さっき試しで使ってみてたから、ちゃんと魔法が使えたみたいだし、多分成功したんだと思う」
「……」
メイは何か考え込んでいるのか、目を伏せ、顎に手を当てている。
「私さ、頼まれたんだ。
バランスが崩れたこのランテージを、直してくれって」
ちらりと、メイは私に視線を向ける。
「…誰からだ?」
「ヨウラ」
「誰だ」
「うーんと、“世界”なんだってさ。
色々あって、会う機会があったんだけどね、世界のヒラレルギーが偏っているから、僅かに力を貸してくださいって頼まれたんだよ」
「……」
……何か言えよ。
沈黙するメイに、心の中でアリアは突っ込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!