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「……その力は、またもう一度使えるか?」
「へ?……うーん、さっきは使えたみたいだし、特に異常とかは判んないから平気かも。
近距離だったし、上手く出来たいみたい」
「そうか…」
――ガシッ
「……メイさん、何をしようとしてるんですか?」
「決まってるだろ、あのデカいネズミの打開策」
「ま……まさか……ぅをう?!」
突然、メイに肩を掴まれると、流れ作業のように足払いをされ、アリアの視界は回った。
グオン!と空を仰ぎ、そのまま地面を向くのではないかというほどの勢いが、
生えている長めの草が目の前で止まる位置に、腰を抱えられる形で止められた。
突然の事に思考を巡らすが、漠然としたまま、アリアは担ぎ直される。
「え?な、何を――」
「――こうしたほうが、手っ取り早いだ――ろっ!」
「ま、まままっ―――!」
反論をする暇もなく、身体強化をしたらしいメイが、
勢いよく巨大化したネズミ型魔物へとアリアをぶん投げたのだった。
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