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「えええぇぇぇぇぇ?!ぃいやああああああぁぁぁぁあああ!!」
ギュルギュルと景色が加速して、まるで安全装置のないジェットコースター、
又は人間大砲を経験したらこんなかぁ…と、思考の端で思ってしまった。
だが、それにしては風の抵抗が酷く少ない。
それなりに飛ばされているためか、少し余裕が出たアリアは少し自分の周りを見る。
そこには、楽しそうに一緒に飛んでいる半透明の精霊が――……
「ぼっすーん!)――へぶっ!」
認識した途端、勢いよくトランポリンのようなものに毛皮を付けた感触の物に、勢いよく体が叩きつけられた。
そのまま数mは地を転がり滑り、勢いが無くなってようやく止まる頃、
勢いよく転がってしまったアリアは軽く目を回した。
(~~後で、一発殴る!)
そんなことを考えながら、よろよろと、起き上がろうとするが、上手くは起き上がれない。
そして、アリアは目を瞬いた。
「……えー?」
その一言しか出なかった。気づけば魔物の背に乗っているのだ。
高い建造物は自分の家と外壁、見張りのための塔位なので、思わず景色がいいな…などと思ってしまう。
動いてはいるものの、結構安定している上に、フカフカな毛皮(但し紫色)がクッションのように柔らかい。
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