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『それにしても、あの森に長く居たせいで、
自分達の体に、撒かれた強い魔力を貯めちゃっていたみたいだね』
『森を移動した分、余計に魔力を拾ったみたい』
『だから理性がほとんど無くなってる』
『残ってるのは、逃走心と恐怖心と僅かな意志…だけ、みたい』
気づけば、精霊の中には今度は暗い丸い玉の精霊が居た。
闇かな?その部分だけ、薄暗い仕様になってる。
顔はもちろん点と線だけど。
ちなみに最後の二つは、闇の精霊の言葉です。
『解放してあげよう?』
『僕達の力を、貸してあげるから』
『元に戻してあげようよ』
くるくると、私の腕辺りを旋回する精霊達。
――なら、私に力を貸してもらいたい。
『――あいあいさー!』
きゃーきゃーと、どこか嬉しそうに飛び交う精霊達。
『許しが出たぞー!』
『指令からのお許しだー!』
それは私の事?
なんでお許し?
『だって、僕らはこの世界の精霊じゃないから』
『自分達からの過干渉は出来ないんだよ』
そういえば、ヨウラもそう言っていたなぁ。
交渉している世界の“皆さん”に力を貸してもらうって。
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