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『僕達の姿を見える人はもちろん居るけど、大抵この世界の精霊と思われてるからね』
『はた迷惑だよねぇ』
『メイは違うけど』
…精霊の苦労の端を、聞いた気がした。
なら、今から行うよ。
このままなのは流石に、辛いし。
『了解でありますー!』
『『『『あいあいさー!』』』』
精霊達は、かけ声とともに、寄って集まって一つの帯となっていった。
光の帯、闇の帯、土の帯、ちょっと視界が歪んで見えるから、多分風の帯。
それが私の手の剣に集まって、絡まった。
右には光と風が纏って、すごい早さで回転している。
左には闇と土が入り交じって、まるで黒い、頑丈な鉄のような大きな剣になった。
『――これで、あの魔物を、切りつけて』
『なるべく、外に振り払うようにして』
『散らしてあげて』
『そうすれば、固まった魔力は解かれて、四散する』
「――解った。やってみる」
大きくなっても軽い私の腕の剣を、一種の剣舞をするつもりで、両手を黒い塊に向かって振り切る。
――ゾン!
「――え?」
たった一振り。
それだけで、酷く大きい黒い塊は、キラキラと緑色の燐をまき散らしながら大体十分の一ほど四散した。
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