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『まだまだ!』
『やっちゃって!』
『早くやらないと、抵抗される!』
少し呆然としちゃったけど、気を取り直して再び腕の剣を振るう。
――ゾン!
大きなネズミの輪郭はあるけれど、四散した後なら中に入れるらしくて、その状態で黒い塊に向けて腕の剣をとにかく振るった。
キャラキャラと、大量の緑の光が、視界いっぱいに散っていく。
体はとても軽い。
だから簡単に、まだ残っている塊の元まで行けて、四散させる。
これで半分以上は散らせた!残るのは――
――ぉぉおおおおおおおおおおおぉぉおおおお!
耳に強く響いてきた、底の方から響いてくるかのような大きな音に、思わず耳を塞いだ。
大きすぎる!鼓膜破けるよこれ?!
『危ない!』
え?
そう思ったとたん、巨大化した魔物は、その巨大な体で直立した。
――ザザザ……
突然、視界にノイズがかかる。
それと共に、グンッと体が引っ張られる。
――え?
ギュルギュルと、視界が背後になって、視界が砂嵐みたいになって――
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