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「おい、突然どうした!」
「た、隊長!アリア様が、魔物の背に!」
「はぁ?!そんな所に人が居るわけが…アリア様――!?」
似たようなその反応と、鍛えられた肺活量でのその言葉は、波紋のように他の兵士達にアリアの所存を知らせていった。
そして、その出来事は混乱を生み、兵士達の手は攻撃するのを止めていった。
それと同時に、何故あの様な所にアリアが居るのかで、変な議論が生まれていった。
「で、ですから飛ばされたのを見てまして…」
「飛ばされて?!そんなことをした奴は誰だ?!斬首刑にしてやる!」
「し、知りませんよ~…」
哀れ、事の発展を見ていた若い兵士は凄い勢いで他の兵士達に問いつめられていた。
正直、魔物は抵抗するだけで、今は全く動いていないからだ。
放っても良いかというのが本音だった。
ふと、誰かがアリアの様子を見ていると、何か光の魔法を使うのが見えた。
属性ごとに、発動する時はその属性のが自身のどこかに発現しやすい。
大抵は手に発現しやすく、無と風を除いて、それだけでほとんど認知しやすい。
それが解った後、兵士達には見慣れた、光の波紋のような物が魔物の体に流れるかのように背中当たりを覆っていった。
リ・サーチフェルは、光の治癒系統の魔法。
下級の、体内異常を調べるために浸透させる魔法だ。
しかも、それは人の腕によって浸透具合が違い、
大まかにしか解らなかったり事細かに解ったりと、様々だ。
――だが、何故それを?
そう疑問に思った途端、遠くから誰かが飛んで来、目の前に勢いよく着地した。
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