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ふと、メイを見る。
「どうしたの?」
「……いや。何でもない」
行こうかなって思った中、メイは何かを考えているかのような感じがした。
「ちょっと持ち物を確認させてくれないか?」
「え?いいけど?」
そう言って、メイは荷物を下ろす。
そこから出てくるのは、変わった草や石や、毛布、服、小綺麗な箱が数種類、アクセサリー、難しそうな本、袋がいくつも……
やっぱりそれは普通のリュックなのに、変に大きめなのまで入っているのが、見慣れない。
思わずマジマジと見ていると、やっとお目当てのものが見つかったのか、それをリュックの中から取りだした。
――それは、赤いリボンの付いた、小さな、鈴。
「…なにそれ?」
「普段使わないんだが、一応手元に持っておこうと思ってな……後は、これか……」
そう言って、リュックに荷物を戻しながら、いくつかの瓶と、袋に入ったものを、腰のベルトに取り付けていたらしいポーチの方に入れる。
どうやら私が着替えた時に着けたみたい。今まで見かけたことないし。
「じゃあ、行くか」
「うん、そうだね」
とりあえず、私は外に出るために、部屋を出る。
ローブはどうせ、羽織るだけだし、荷物も既にコンパクトにまとめてある……というか、まとめてくれていた。
やっぱり、いつも慣れた髪型がいいや。
なんか楽。
軽く髪が広がっても、ツーサイドアップの方が私は好きだなぁ……
それなりに離れた所にビッドの死体があるとはいえ、まだ近場。
急がなくたって、歩いていれば着くしね。
それにしても、様子を見てこいって言ってるけど、本当に……相手側に一度任せてもいいのだろうか?
なんとなーく、嫌な予感もする。
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