829人が本棚に入れています
本棚に追加
「え、お、おい!そっちはトワレの森だぞ!?」
「そうですが?」
「さっき言っただろ!?明確に、トワレの森がおかしくなったんだ、これからギルド総勢で、トワレの森の処理をする手配を行うことになる!お前等、酷いと巻き込まれるぞ!?」
焦りを感じさせるその言葉。
バルトは、嫌と言うほど、その有様を体感していた。
だから、アリア達に警告として、叫んで止めようとした。
「……で?」
「だからかえ……は?」
「だから、何?」
「え、だから巻き込まれると危険だから帰った方が……」
「それがどうしたというの?」
「だから危険なんだって……」
はっきりと物言うアリアに、思わず声が小さくなり、萎縮してしまう。
バルトは、こういう物言いの人に弱かった為だろう。
「どの道……私には、貴方達がどうやったとしても、トワレの森は戻らないと思うわよ?メイ。気にせずに行きましょう」
「ああ」
「え、お、おい!どう言うことだよ! ……ああ、くそっ!」
スタスタと歩いていってしまうアリア達。
その姿を見て、巻き込まれて怪我、下手すると死んでしまうかもしれない事を考慮して、アリア達について行きながら、バルトは腕につけていたギルドの証に、魔力を流した。
ギルド証は、魔力を流すと、ギルド間での通信機代わりにもなる。
『こちら、トワレの森を偵察任務を任されたバルト=アラグエイ!ギルド【漆黒の翼】に緊急報告する!
……トワレの森は、最深部はもう、森とは言えない、まるで魔物のような状態になっていた。
至急、派遣を願う!今、綾斗が一人、外に広がらない様に戦っているんだ……!
こちら、トワレの森を――……』
最初のコメントを投稿しよう!