森は魔物を喰うそうです

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「え、お、おい!そっちはトワレの森だぞ!?」 「そうですが?」 「さっき言っただろ!?明確に、トワレの森がおかしくなったんだ、これからギルド総勢で、トワレの森の処理をする手配を行うことになる!お前等、酷いと巻き込まれるぞ!?」 焦りを感じさせるその言葉。 バルトは、嫌と言うほど、その有様を体感していた。 だから、アリア達に警告として、叫んで止めようとした。 「……で?」 「だからかえ……は?」 「だから、何?」 「え、だから巻き込まれると危険だから帰った方が……」 「それがどうしたというの?」 「だから危険なんだって……」 はっきりと物言うアリアに、思わず声が小さくなり、萎縮してしまう。 バルトは、こういう物言いの人に弱かった為だろう。 「どの道……私には、貴方達がどうやったとしても、トワレの森は戻らないと思うわよ?メイ。気にせずに行きましょう」 「ああ」 「え、お、おい!どう言うことだよ! ……ああ、くそっ!」 スタスタと歩いていってしまうアリア達。 その姿を見て、巻き込まれて怪我、下手すると死んでしまうかもしれない事を考慮して、アリア達について行きながら、バルトは腕につけていたギルドの証に、魔力を流した。 ギルド証は、魔力を流すと、ギルド間での通信機代わりにもなる。 『こちら、トワレの森を偵察任務を任されたバルト=アラグエイ!ギルド【漆黒の翼】に緊急報告する! ……トワレの森は、最深部はもう、森とは言えない、まるで魔物のような状態になっていた。 至急、派遣を願う!今、綾斗が一人、外に広がらない様に戦っているんだ……! こちら、トワレの森を――……』
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