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………
……………
……………………
「……」
「……メイも、解る?」
「ああ……」
近づけば近づくほど、何かがおかしい……そんな感じがしてならない。
……ぞっとするような感覚。
私は、どうしてか、早く行かなきゃいけない気がした。
「アリアは、大丈夫か?」
「……わかんない」
だって、まともに使い始めたのが少し前なんだから、詳しくは解らない。
けど……早く行かなきゃいけない気がして、私は早歩きで歩いていた。
トワレの森は、もう見えてる
メイが赤髪の男から状況を聞くと、ちらりとアリアを見る。
何かを考えているらしいアリアは、こちらが話しかけても気づきにくいだろう。
「魔法が、効かねぇんだ……だから一掃しようにも、武器の付加効果も効かないから、切るしかないのにまた生えて……そ、そうだ、アイツを助けなきゃ!まだあの森に……」
「……魔法が効かないのは、確かか?」
「へ……?あ、ああ、そうなんだ……いや、効いてはいるんだけど、どんなに強くやっても効きづらいし、通りづらい状態なんだよ……なんだよあれ……!あんなの、俺達にどうこう出来ることなのか?!」
「多分、出来はしないだろうな」
「な?!」
飄々と言い切るメイに、赤髪の男は食らいつくかのように見る。
「あれは、おそらく強すぎる魔法のせいで変質したのだろ……正攻法じゃ、無理だろ」
「なら、どうすりゃ良いって言うんだ!?その根元を絶つって、アイツは走って言っちまったんだぞ?!」
「それは、そいつがバカなんだろ」
「なん……アイツは確かに、おかしい所があるけど良い奴なんだぞ!?」
仲間思い、なのだろう。
メイの言葉に、ムキになって反論する。
だが、そんな彼の事に心が動かされないかのように無表情なメイは、ただただ言う。
「人に、良いも悪いも、他からしたら大差はないだろ」
「なにを……!」
その言葉は、さらに男を逆上させる。
何かを言おうとして、言葉が詰まる。
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