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この世界は総じて、《ランテージ》と呼ばれている、魔法が主流の世界である。
そこでは広大な大陸が2つ、それなりの大陸が3つにいくつかの島で構成されている。
広大な大陸の一つと、それなりの大陸の内2つには、人が築いた大国が4つ、小国が6つという10の国があり、
その内の、人が居る広大な大陸〈コヴェン〉にある、東西南北に大国が分かれている中の北国、《ライザール国》の東側に位置する《ヤシャール》と呼ばれる小さな地方。
国境にはやや近いものの、東にある大国の《イデイル国》とは比較的友好的であるため、ここ数十年はイデイル国とは戦争は起きていない。
その関係もあるのか、餓える者の居ない、平穏な土地であるヤシャールはとても長閑(ノドカ)で、下流とはいえ、代々ヤシャールを納めてきた貴族、「ワーズウェルト」は、下流貴族の中でも一目置かれる下流貴族だった。
その一目置かれる領主であるアーゼン・V・ワーズウェルトには、二人の子供が居た。
17歳の聡明な息子、フェルゼン・V・ワーズウェルト。
現在、オーロン上等学級魔法国立学園の学生で、とても優秀な成績を残している跡取り息子である。
そして14歳で、後少しで15になる娘、アリア・V・ワーズウェルト。
後5ヶ月したらフェルゼンの様に、上等学級学園に通う予定の、秀才とも優秀とも言えない娘であると言われている。
家はそこそこの大きさに、質素な造り。
使用人は数人に警備員も十人ほど。
それだけで成り立っているのは、普通なら家に置く警備員を、自分の領地に分散しているからであり、それ故に盗賊などの被害も出ないことで有名な所でもある。
そしてその警備員は兵士として活動している。
この地域独特の兵士になるから、行ってしまえば私兵だけど、結構な人数が居る。
小さいとはいえ、この領地を守ってるくらいだし。
他からしたら、どこか変わってる領地だったりする。
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